ゴルフ初心者を復旧させるには?

米国の景気後退を軽微に留めたことで、アジア諸国は高水準の対米経常・貿易黒字を維持してきた。 日本を除くアジアの対米黒字(米国の地域別貿易収支の計数を使用)はニOOO年の一O九三億ドルに達した後、米国が景気後退に陥った二〇〇一年に一O七O億ドルとやや縮小したが、ニOO二年に一二六六億ドル、二OO三年には一四六七億ドルと再拡大した。
この問、欧州や中南米など他地域も対米黒字を拡大していることは事実だが、特に二OO三年については二O一億ドルと増加幅が突出している。 日本の対米黒字は二OO一年からニOO三年にかけて横這い圏で推移した。
二OO三年には対アジア黒字が四八六億ドルと、二OO二年の三二九億ドルを大きく上回っている。 対中赤字が縮小していることもあるが、「その他アジア」に対する黒字が六六七億ドル(前年は五四八億ドル)と拡大してきたことが主因だ。
経済発展の著しい中国を中心にアジアの域内需要が増加したこともあるだろう。 中国の地域別貿易統計では、対ASEAN、韓国、台湾に対して大幅な貿易赤字を出しつつ、対米・EUで大幅黒字を記録する構造がはっきりしている。
総合すれば部品、中間製品を日本からASEAN等を経由して中国に持ち込み、そこで組み立てて米国に振り向けるという形で、アジア全体として対米輸出を増加させてきた姿が浮かび上がってくる。 アジアの対米黒字の拡大は、中国元の過小評価のみに帰着するものではなく、日本も含めたアジア全体の問題である。
アジアの外貨準備が米債市場に流入し、米国の長期金利を低下させたことで、米国や米国と金利裁定が働きやすい欧州の民間投資家は、より高いリターンを求めて資金を社債や株などのリスク資産にシフトさせる傾向が徐々に強まってきた。 欧米株価が上昇し、リスク許容度を増した投資家が海外株への分散投資の一環として日本・アジア株を購入してくるという資金循環が、特に二OO二年末〜ニOO三年にかけて強まっていった。
米財務省の地域別証券投資統計によると、米国から海外への株式投資は会計不正問題に揺れた二OO二年は、ネット(新規の購入と既保有株式の売却の差し引き)で一五億ドルとほぼゼロに留まっていたが、二OO三年初から増加傾向が鮮明になり、二OO三年全体では七一八億ドルにも達した。 そのうち、六四二億ドルがアジア(三七六億ドルが日本)となっていた。

アジアの通貨当局のドル買い介入・外貨準備のドル債という形で米国に流入した資金は、アジアの対米経常黒字と、欧米投資家による株式を中心とする対アジア投資という形でアジアに還流し、アジア通貨高圧力を生んでさらに介入額を拡大させる循環につながっていった。 とりわけ二OO三年九月二O日にドパイで開催されたG7(先進七カ国財務相・中央銀行総裁会議)の後、欧米投資家によるアジア株投資が増加し、アジア株価が上昇するだけでなく、通貨にも上昇圧力がかかり、通貨当局のさらなるドル買い介入につながっていくという第二のル−トを通じた循環が強まった。
要な国・経済地域にとって、国際金融システムにおいて市場メカニズムに基づき円滑かつ広範な調整を進めるために望ましい」とされたことで、米国がドル安を容認し始めたとの見方が浮上した。 特に介入によって上昇が抑制されてきた円や対ドル固定制を続けてきた中国元の上昇(元については切り上げ)期待が強まった。
欧米投資家の観点からみれば株価だけでなく、通貨高からもリターンが得られる状況になった。 こうした中で、年金基金など中長期的な視点に立った投資家が対アジア株式に対する分散投資を活発化させ、短期志向のヘッジファンドもFRBが超低金利政策をとっていることを背景に低利でドルを借り入れ、アジア株に投資する「ドル・キャリートレード」を膨らませた。
さらに短期の銀行預金などのより純粋な通貨投機も加わった。 アジアの通貨当局によるドル買い介入が、欧米投資家による対アジア投資という形で一戻ってくるという「フィードバック効果」が急速に強まっていった。
アジア諸国の経常黒字継続、ドル買い介入による米国の経常赤字埋め合わせ、欧米からの対アジア投資の増加という循環が強まる中で、日本とアジア新興国においては「双子の黒字」が発生した。 ここで「双子の黒字」とは、経常収支に加えて、民間ベースの資本移動を記録する資本収支まで黒字化するということであり、米国の「双子形であることは確かで、日中を中心とするアジア当局のドル買い介入の急速な拡大と表裏一体の関係にある。
日本や中国がなぜ米国の双子の赤字の受け皿となり、双子の黒字を出すに至ったのかについて考えてみたい。 未曾有の規模に膨らんだ介入まず、わが国の国際収支の「双子の黒字」化と、未曾有の大規模介入につながったことを確認したい。
日本の投資家は二〇・〇兆円という巨額の対外債券投資を行っているが、銀行貸借など短期の資金取引である「その他投資」勘定の部分が二二・O兆円もの黒字分が外貨(ドルやユ−ロ)を短期で調達し、それを中長期債に投資するという「ドル」型であったことを示唆している。 この結果、海外からの対日株式投資がほぼそのまま資本収支の黒字となった。

二OO四年三月には経常黒字が高水準(五兆円、四倍して年率化すると約二O兆円)を続ける中で、海外からの対日株式投資が継続したことと、ドパイG7のコミュニケを受けて円の上昇を見込んだ投機資金とみられる短期資金の流入が加わった結果、資本収支は三兆円もの黒字となり、双子の黒字はより鮮明になった。 経常、資本両収支の黒字化によって発生した強力な潜在的円高圧力に対して、わが国政府・日銀はかつてない大規模なドル買い介入を実施、双子の黒字は外貨準備増ドル買い介入額は二OO二年以降二OO四年三月までで、三九・二兆円にも達し、九五年四月に一ドル七九円台をつけた「超円高」期の円売りドル買い介入(九三年四|六月〜九六年三月)の十・二兆円をはるかに上回る規模となった。
こうした展開の背景には米国のプ−ム崩壊、双子の赤字化、FRBの超低金利政策w とプッシュ政権によるドル安容認という要因がある。 日本側に目を転ずると、金融システム不安の長期化とデフレの発生、金融政策の有効性の低下がある。
九〇年代以降、企業による過剰な負債の返済、銀行や生損保など金融機関の不良債イ権処理が続いてきた。 これらが地価、株価など資産価格の低下要因となり、内需の停滞、需給ギャップ拡大要因の一つになった。
日本経済は外需依存体質(経常黒字の拡泊大)を鮮明にし、圏内の景気を支え、デフレの深刻化を回避するため、円高進行を抑町制する政策要請が強まった。 米景気動向・経常収支以上に重要な意味を持っていたのは、日本の金融システ日ムの機能不全(リスクをとって内外に資金を供給していく機能の低下)が続いてきたためには・当局が介入せざるを得なかった。
すなわち日本銀行は(二OOO年八月からの一時的ゼロ金利解除期を除き)低金利政策を強化、ニOO一年三月以降は金利目標から日銀当座預金を目標とする量的緩和政策に転換して、短期金融市場に未曾有の規模の資金を供給した。 バランスシート調整に取り組んでいる民間金融機関や企業によるリスクを伴う投融資の増加は極めて限定的である。

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